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サーモスタットって何?交換するもの?そんな疑問を解決します!

毎日のチョイ乗り運転では気がつかないサーモスタットの不具合!!家族との久しぶりの長距離ドライブで、まさかのサーモスタット交換を迫られたらどうしますか?そんなサーモスタットの作動と必要部品、交換費用や交換時間、交換方法をご紹介します。

サーモスタットって何?

車でのサーモスタットを簡単に言ってしまうと、「温度調整弁」です。

エンジンを始動して水温計が動き始めるのに、そんなには時間はかからないはずです。
しかも、走行中も一定の温度を保ってくれるのは、このサーモスタットが温度を調整してくれているからです。

サーモスタットの作動

エンジン始動直後はサーモスタットの弁を閉じていて、冷却水はエンジン内部だけを循環し暖機を早めます。



暖機後はサーモスタットの弁を開けて、冷却水をエンジン内部からラジエターへと送ります。
そして弁の開度を常に調整し、冷却水の温度を一定に保ちます。

一般に冷却水の温度は80〜90度がエンジンの効率が最も良いとされています。
当然この温度から低すぎても、高すぎてもエンジンはダメージを受ける事となります。

ではサーモスタットが故障したらどうなるか、続いてみて頂きましょう。

不具合のあるサーモスタットを交換しないとどうなるの?

極論ですが、壊れたサーモスタットは交換しないとエンジンが壊れるだけです!

冷却水温が高過ぎる場合を「オーバーヒート」、冷却水温が低過ぎる場合を「オーバークール」と呼びます。
「オーバーヒート」は冷却水の沸騰、蒸発、エンジンの歪み、そしてエンジンの焼き付きへと進行します。
「オーバークール」はどうかと言うと、常に暖機状態ですから燃料の過大消費、ヒーターから温風が冷たい、オートマチック車であればオーバードライブに入らない等の弊害と共に、シリンダーやピストン、あらゆる作動部分の摩耗につながります。

サーモスタットの閉時と開時


左:閉時
右:開時

故障した場合もこの状態のまま動かないか、もしくは設定温度が狂ってきます。
その場合の確認は、温度計と共に鍋で煮るしかありません。

水温計やセンサーが壊れていなければ、運転席に表示されるのですから見逃さなければ大丈夫。
とにかくエンジンには適温があるのがわかって頂けたと思います。

ところで、サーモスタットは定期点検や車検では交換しません!
不具合が出て初めて交換される部品で、車や部品によって交換時期は様々。
ですから、運転者が常に見守っていかなければならない部分です。

サーモスタットの交換っていくらかかる?

トヨタ車を例にあげると、必要交換部品が少ないのでこれだけです。
当然メーカーが違えばLLCの色も違ってきますし、部品の価格設定もさまざまに違います。
また、紙製のガスケットや別の部分のパッキンも必要になってきたりもします。
ですから、大体の目安としてお考え下さい。

必要なもの

サーモスタットとOリング


サーモスタット :2000円前後

Oリング     :200円前後

ロングライフクーラント


スーパーLLC 2L:2500円前後

LLC 2L    :1500円前後



車に使用されている方を選択して下さい。

交換工賃


交換工賃    :7000円前後






注)画像はイメージです。

節約するとすれば「交換工賃」ですが、交換に慣れていないと逆に壊してしまう可能性もあるので、素直に車屋さんにお願いするのがベストだと思います。

サーモスタットの交換時間ってどれくらい?

同じくトヨタ車を例にあげると、車屋さんはサーモスタット交換と冷却水のエア抜きで1時間〜1.5時間程度。
不慣れな一般の方での交換は、半日かかると思います。

一応サーモスタットの交換手順を書いておきますが、ご自身での交換作業を実施するしないはお任せします!

サーモスタットの交換手順

サーモスタットハウジングの取り外し


10mmのナットを2個外します。
トヨタ車のだいたいが10mm2~3個です!

当然サーモスタットハウジングを外すと同時に、冷却水が溢れ出てきます。

先に冷却水を抜いておくのも得策です。

サーモスタットの状態確認


またしても、サーモスタットを外すと同時に冷却水が溢れ出てきます。

サーモスタットのエア抜きの穴が上にあるのを覚えていて下さい。

サーモスタットハウジングの接合面確認


奥に見えるのが「バイパス通路」です。

接合面が荒れていたら、オイルストーン等で整えておきます。

新品のサーモスタットとOリング組み付け


サーモスタットのエア抜き穴の位置は絶対上!

あとはサーモスタットハウジングを元通りに取り付けますが、10mmのナットなので程々な締め付けトルクでお願いします。

ここでネジ切ったり、アルミで出来たハウジングを割っては話になりません。

サーモスタット交換後の冷却水エア抜き


忘れてはいけないのが、ヒーター関係のエア抜き。

MR-2などの特殊形状の車を除いて、トヨタ車が一番楽にエア抜き出来たりします。

あとは、溢れたLLCの清掃!
これを怠ると、しばらくLLCの甘い匂いがつきまといますので注意!

たったこれだけのサーモスタットの交換作業ですが、作業は難しいと思われましたか?
それとも、交換は意外と簡単と思われましたか?

たかが「サーモスタット交換」ですが、慣れている人と慣れていない人では感じ方にも雲泥の差があります。
少しでも不安があるのであれば、車屋さんにお願いしましょう!

最後の一言…

車屋さんでの交換費用は12000円前後。交換時間は1.5時間。
これが旅先だったりしたら、交換費用も交換時間もかなりの痛手ですね。


雪道の運転や高速道路を多用する旅行、不運な事にサーモスタットの不具合はこんな時に感じやすいものです。

普段と水温計の指示が違うと思ったら、早めに交換するのがトラブル予防につながります。

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