いつまでOK?スタッドレスタイヤの寿命についてまとめました!
2016/04/07
るおう
雪の少ない地域でも、思わぬ大雪で活躍するスタッドレスタイヤ。このスタッドレスタイヤ、必要な期間は限られているし、履き替えるのも面倒・・・。夏もそのままスタッドレス!と言うひとも少なくないようです。しかし、夏のスタッドレスは思わぬ危険が潜んでいることも・・・。
冬に活躍するスタッドレスタイヤ。そもそも、スタッドレスとは、どんなタイヤなのでしょうか?
雪道走行をする時、ノーマルタイヤにチェーンを履くか、スタッドレスタイヤに履き替えるかのどちらかですね。しかし、チェーンを履く場合は、走行できるのは雪道に限られています。そのため、冬はスタッドレスタイヤを使用する方が多いのではないでしょうか。
夏のスタッドレス
スタッドレスタイヤ
実はスタッドレスタイヤの歴史は浅く、1980年代初頭から。それまでは、スノータイヤに金属製の鋲(スタッド、スパイク)を打ち込んだスパイクタイヤが主流でした。しかし、雪道のみならまだしも積雪の無い路面では、そのスタッドが路面のアスファルトを削って車紛を発生させてしまうことに。特に装着率の高い、札幌や仙台と言った、積雪量も交通量も多い地域では喘息などの健康被害もあり、スパイクタイヤが問題視されてきました。
夏のスタッドレス
スパイクタイヤ
そこで、タイヤに深い溝を刻むことで、グリップ力を上げ、タイヤ内にガラス繊維等を混ぜ込んだスタッドレスタイヤが、広く使われるようになりました。
スタッドレスタイヤとノーマルタイヤには、どのような違いがあるのでしょうか?
夏のスタッドレス
溝の深いスタッドレスタイヤ
説明するまでも無いかもしれませんが、スタッドレスタイヤには深い溝が刻まれています。その溝で区切れたブロックには細かい溝『サイプ』が刻まれています。
雪道で滑る原因は、路面の水分。この溝によって、雪道表面の水分をかき出すことができるのです。
また、雪そのものを噛むように圧縮して蹴り出すことができます。
夏のスタッドレス
ノーマルタイヤよりも柔らかいスタッドレスタイヤ
ノーマルタイヤは、高温に耐えられるように作られています。その為、低温ではタイヤが固くなりグリップが弱くなることも。
一方で、スタッドレスタイヤは柔らかいゴムで作られています。マイナス20度の低温でも、柔らかさを保つことができます。更に、スタッドレスタイヤは、タイヤ内に気泡を混ぜ、スポンジのようにして吸水性を上げたり、ガラス繊維やクルミの殻などを混ぜ込み、グリップ力を高めたりしています。
期間限定で使うスタッドレス。ノーマルタイヤに履き替えるのも面倒だし、雪道で大丈夫なんだから、夏に履いてても問題ないでしょ?と思われるかもしれません。しかし、夏にスタッドレスタイヤを装着して車を走らせることは、想像以上に危険な場合もあります。
夏のスタッドレス
夏でもスタッドレスだと燃費の悪化に繋がります。
スタッドレスタイヤは、冬の寒い時期にも固くなりにくい特徴があります。逆を言えば、熱でゴムが柔らかくなりすぎると、接地面が多くなり、抵抗が増えることで燃費の悪化に繋がります。
夏のスタッドレス
ブレーキの効きが悪くなることも。
スタッドレスタイヤには、たくさんの溝が刻まれています。柔らかいスタッドレスタイヤにこの溝を刻むことで、雪道での走行が可能になっている一方、夏の乾いた路面ではブレーキの力により変形し、濡れた路面では摩擦が低下し、ブレーキ性能が劣ります。
夏のスタッドレスではハイドロプレーニング現象を引き起こすこともあります。
雪道では、細かい溝で路面の水分をかき出すスタッドレスタイヤ。水に強いイメージがありますが、夏の路面では、逆に水分に弱くなってしまうことも。
やはり、柔らかいゴが水圧に負けて変形し、路面の水分をかき出せなくなってしまいます。その為、ハイドロプレーニング現象が起こりやすくなり、危険です。
特に、大雨の時や高速走行の時は、その危険が高まるそうです。
夏のスタッドレス
スタッドレスを夏に履き潰そうとすると、バーストする危険性があります。
熱に弱いスタッドレスタイヤ。夏に長距離の高速走行などで変形すると、ノーマルタイヤに比べて、バーストの危険性が高まることもあります。
高温の夏の間に、スタッドレスを劣化させない為に、保管にも注意しましょう。
夏のスタッドレス
保管前に洗浄、乾燥
スタッドレスタイヤに融雪剤や泥などが付着したままだと、ゴムの劣化に繋がります。そのため、保管前にはきれいに洗い流して、水分が残らないように乾燥させましょう。
夏のスタッドレス
温度変化が少なく、通気性の良い場所に保管
スタッドレスタイヤを、直射日光の当たるようなところに放置していませんか?保管場所も確保しておかないと、劣化してしまいます。
スタッドレスタイヤの保管には、温度変化が少なく、通気性の良いところを選びましょう。
夏のスタッドレス
カバーをかけるのも有効
スタッドレスタイヤの保管には、専用のカバーやビニールを被せて保管すると、より劣化を防ぐことができます。せっかく洗って乾かしたタイヤを、うっかり雨に濡らしてしまったり、紫外線によるダメージからも防ぐことができます。
夏のスタッドレス
タイヤラックがあると便利!
タイヤを保管する場合の置き方ですが、ホイール有りで保管する場合は横積みき、ホイール無しの場合は縦置きが良いそうです。また、横積みする場合には、タイヤの空気圧を半分程度に減らし、すのこや段ボールの上などに保管するのがおすすめです。
夏のスタッドレスタイヤの使用や保管についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?夏に履きつぶして、冬前に新しいスタッドレスを購入する人も多いそうです。しかし、スタッドレスタイヤは夏の使用には適していません。冬に丁寧に使って、夏の間、きちんと保管すれば、ゴムの劣化を抑えられます。
ぜひ上手に夏を乗り切って、冬にはスタッドレスで安全走行したいですね!
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