高性能スポーツセダン　スバルの新型WRX STIの魅力を検証しよう！

2014年8月に生産終了したインプレッサ WRX STIの後継車種でもあり、従来のインプレッサの派生車から独立したモデルとして、同年8月から新型WRX STIが販売開始され、2015年6月に一部改良が行われました。

先代モデルまではWRCで戦うことを前提とした設計で、実戦での戦闘力が強く意識されましたが、スバルがWRCから撤退して以降は、WRXの存在意義自体が薄れていました。
しかしここでスバルは逆に奮起。高いハードルを設けて、歴代モデルよりもポテンシャルの高い新型WRX STIを世に送り出したのです。

新型WRX STIは従来型のボクサーEJ20エンジン（2.0L DOHC ツインスクロールターボ／308馬力／43.0kg-m）を搭載し、駆動方式は4WD、ミッションは6MTのみです。

開発関係者や試乗した人の話によると「明らかに従来型よりも速くなっている」との声が圧倒的です。EJ20エンジンは従来型そのままではなく、何らかの改良が加えられていると考えられます。
スロットルレスポンスが大幅に高められるようなチューニング等が施されているものと思われます。

続いて新型WRX STIの燃費はどれくらいなのでしょう。カタログ燃費と実燃費について検証してみます。

　9.4km/L

　4.73km/L～11.57km/L

※新型WRX STIの平均実燃費　8.42km/L

新型WRX STIの燃費は、今の低燃費を競っている車と比較すると、全然相手にもならないくらいに良くないですね。しかし新型WRX STIは燃費云々の車ではありません。そのハイスペックな動力性能とパフォーマンスを考えれば、むしろ及第点以上といっても過言ではないと思います。

さて、このハイパフォーマンスな新型WRX STIはいくらするのでしょう。その価格を見てみましょう。

■STI　　　　　　　3,790,800円
■STI Type S　　4,114,800円

新型WRX STIは先代モデルに比べて上質感が大幅に高まったことが最大のポイントで、BMWやアウディの高性能車に近い満足感が得られるようになりました。従って、この価格は決して高くはないと思います。

それではここからは新型WRX STIの特徴や、先代モデルとの変更点などを検証してみます。

ボディサイズは先代モデルに比べて全長は15mm、全高は5mm、ホイールベースは25mm拡大しました。全幅は1795mmで変わっていませんが、新型のほうが先代よりもより低く見えます。Cd値では先代よりも約10％も改善されているようです。

内装デザインの質感は相当高められており、先代モデルよりも車格がワンランク上がった印象を受けます。より上質な4ドアセダンに進化したことをうかがえます。

新型WRX STIに搭載されるEJ20型エンジンは、先代モデルからのキャリーオーバーでまったく同じものです。ECU制御の緻密化により、スロットルレスポンスの鋭敏化と加速の軽快感が高まりました。6MTミッションは細部のチューニングを見直すことにより、シフト操作フィーリングが劇的に向上したようです。

新型WRX STIは革新的な高剛性ボディ作りを実現したことにより、サスペンションの性能が大幅に向上しました。これによりリアの安定性を劇的に向上させながら、フロントの舵の効きを鋭敏にするという、相反する性能を高い次元で両立させました。先代モデルから劇的に進化した、最も特筆すべきところです。

強靭なボディ作りにより、サスペンションやダンパーは先代モデル比でも相当高められているにもかかわらず、乗り心地は劇的に上質感を増しています。静粛性も飛躍的に高まっていて、セダンに相応しい車格感を伴うようになりました。

以上、先代モデルに比べての新型WRX STIは、総合的な性能や質感は大幅に向上しました。その「上質感」が一部の守旧派のスバルファンからは、否定的な声が挙がっているのも事実です。しかし車の進化の方向性としては順当なところだと言えるのではないでしょうか。

新型WRX STIはすでに発売されています。発売前後の日程を見てみましょう。

2014年1月15日　北米オートショーにて米国仕様の「WRX STI」を世界初公開。
2014年8月25日　日本仕様の「WRX STI」「WRX S4」を販売開始。
2015年6月30日　日本仕様の「WRX STI」「WRX S4」を一部改良。

ここまで高性能スポーツセダン新型WRX STIの詳細を検証してみました。
購入される方の参考になれば幸いです。