2015/09/01
Kanon.A
117クーペは1968年いすゞ自動車から発売され当時としては斬新な流線型のデザインでクーペでありながら4人乗りで長い期間販売された。1970年代の日本車を代表する傑作車と言われる117クーペを価格とともに徹底解析していきます。
1968年、初代117クーペが発売される約2年前にイタリアのデザイナーによって立案されました。1966年のジュネーヴモーターショーで発表されると高いデザイン性が認められコンクールデレガンスを獲得する。またイタリアで開催された国際自動車デザインビエンナーレにも出品され名誉大賞までも受賞することとなりました。
117クーペは古い車なので燃費のデーターも詳しい資料が殆どありませんが、最もポピュラーな1800cc・G180WE型のAT車で平均燃費・9.62km/Lとなっています。改造の仕方や乗り方などでかなりのバラつきがありますが実質燃費だと7~8km/Lくらいだと考えられますね。
伝説となった117クーペ。
しかし資料も少なく価格自体、調べるのが困難ですが、当時の価格がどうだったのか気になりますので調べてみたいと思います。
初代117クーペは少量限定生産だったので、ハンドメイドにて生産された大変希少価値のある車両です。その為、月産台数が30~50台で3年間での生産台数も2458台と極めて希少性の高い車です。その為、価格も当時としては破格でした。
当時の新車価格・172万円(現在の価格では800万円以上)
ハンドメイド生産車の中でも約140台ほどしか生産されなかった幻のグレード。価格も性能も117クーペの中では一番高額。
・国産車初の電子制御燃料噴射を採用。
・エンジン:G161WE・1600cc・直列4気筒・DOHC
・ 最高出力:130ps
・最高速度:190km/h
当時の新車価格:187万円
・エンジン:G180SSF・1800cc・直列4気筒・SOHC
・最高出力:115ps
・最高速度:180km/h
当時の新車価格:147万円
このグレードからインパネが今までのウッド製から金属製になり、ステアリングもウッドステアリングからプラスチック製へ変更されました。価格は117クーペの中では最も安価ですがそれでも当時の物価からする一般人が買えるような価格ではなかったです。
・エンジン:1800cc・直列4気筒・SOHC
・最高速度:170km/h
・最高出力:100ps
当時の新車価格:136万円
117クーペは今から約45年前に生産された車ですので、旧車には乗ってみたいけどいきなり購入するのは危険。117クーペは愛好家が多い旧車ですから実際に乗っている方の評価を聞いてから購入を考えるのが得策です。評価を調べてみましたのでご案内します。
動力性能、シャーシ剛性、サスペンション等、メカニカルな部分は旧さを感じる点もあるものの、エンジンはインジェクションで一発始動、クラッチはつながりやすく、坂道発進も楽々と、普通に走る分にはとても扱いやすいです。また、これは乗れば分かることですが細かな部分にいすゞの良心やポリシーを垣間見れる。それが117クーペの乗り味を味わい深くしています。興味のある方は機会があるうちに乗っておいた方がよいでしょう。高は低めだが、乗り降りしやすく、前席なら頭上空間も確保されている。各ピラーが細く、視界は大変良好。車両感覚がつかみやすく、運転しやすい。クラッチがつながりやすく、坂道発進も楽。100kmまでなら不満のない動力性能。便利な装備が意外と装備されている。三角窓は一見古めかしいが、換気に便利。燃費が意外とよく13km/Lくらい。
旧車の割には当時から性能が良いエンジンだったので燃費は最近のガソリン車と遜色ないですね。この方の話しを見ますとしっかりメンテナンスさえすれば大きな問題もなく乗れそうですね。部品調達が難しいのは仕方ないのですが、旧車を楽しむには絶好の一台かもしれません。問題は良質な中古車があっても価格が高いのがネックか。
ビルのウィンドウに映った自分のクルマについ見とれてしまうようなスタイル。少しざらついた感じのエンジン回転フィール。エンジンは深緑の結晶塗装がまた魅力的。適度に重みのある走行感覚。コーデュロイのフロントシートは通気もよく疲れ知らず。今はない三角窓も便利でした。大昔に9年落ちで手に入れて、3年ほど乗っていました。子供が生まれたのを機に手放しましたが、また乗ってみたいクルマです。3速オートマで、街のりの燃費は6キロほどと良くなかったですが、高速では100km/hを軽くオーバーして驚きました。ブレーキ性能が今のクルマと同じになったら、理想的ですね。
やはり流線型のボディが素敵ですね。117クーペの外観に引かれて旧車購入検討される方は多いですね。走行性能が今の車と変わらないのが凄いですけど、欠点としてはブレーキ性能ですね。しかしブレーキなら今ですと色々といいパーツが出てますからブレーキ強化することは可能なので少し手を加えれば十分対応出来そうですがやはり価格次第と言うことですね。手を加える価格を考えるとしっかり検討しなければいけませんね。
117クーペは高級スポーツクーペとして独占状態でしたが、実はライバルが存在したんです。
打倒117クーペに燃えていたのはマツダのコスモスポーツとダットサン・フェアレディZでした。
117クーペvsコスモスポーツ&フェアレディZの性能と価格を比較してみます。
マツダコスモスポーツ
マツダコスモスポーツは世界で初めてロータリーエンジンを搭載したマツダを代表するスポーツカーです。とにかくその外観は美しく未来的なプロポーションです。やはりマツダと言えばのロータリーエンジンですが他社がロータリーエンジン開発を断念する中、マツダは実用化に成功してロータリーエンジン搭載車のコスモスポーツが誕生することとなりました。1967年コスモスポーツの販売が開始。エンジンは、総排気量491cc×2、最高出力・110ps、最高速度・185km/hという驚異的なスペック、低く流れるようなスタイリング、小型エンジンで高出力というロータリーエンジンの長所を余すところなく発揮した究極のスポーツカーとして注目を浴びました。
当時の車両価格:148万円
フェアレディZ
欧州高級スポーツカーいわゆるスーパーカーにも匹敵するスペックと魅力ある外観フォルムを兼ね備えながら、格段に廉価であったことで、北米市場を中心に大ヒットした。日産のイメージリーダーカーとして、足掛け10年もの長期に渡って生産され、世界総販売台数55万台(うち日本国内販売8万台)という、当時のスポーツカーとしては空前の記録を樹立した。日産の記念碑的スポーツカーです。
【1969年当時新車価格】
・Z:84万円
・Z-L:105万円
・Z432:182万円
色々と117クーペについて紹介してきましたが、価格・内装・乗った感じなど実際に購入した人の声が一番の参考になると思いますのでここでは実際に購入した人の話を紹介します。
満足している点何といってもそのスタイリング。デザイナーがイタリア人のせいか車を詳しく知らない人には外車だと思われてました。また三角窓が付いているので渋滞時以外はエアコンは必要無かったです。一応オートエアコン装備でしたが果たしてどこまできちんと温度管理が出来ていたのかは未知数です。117クーペは基本的にデザインに惚れ込んで乗る車だと思います。あっ、それからツインカムのモデルはG型ツインカムエンジン搭載で、元々はベレットR6(スパイダーとクーペが存在)と言うレーシングカーのエンジンからの流れで当時はそれも自慢でした。
SOHCエンジンとオートマで低速トルクが太いので市街地走行はDOHCよりも速いです。乗り心地古典的な足回りで、リヤがリーフスプリングです。日常に使う分には問題ありません。使い勝手クーペなのに、後席も広く大人4人が乗れるのは非常に優れています。AT・PSで楽に運転出来ます。内外装ジウジアーロが内装を手掛けているカスタムモデルで限定車ではなく、カタログモデルです。本皮と布出来ています。117クーペをデザインしたジウジアーロが手掛けた内装はお見事です。
今から45年前の旧車・117クーペについて価格、性能、ライバル車など徹底的に解析しましたがいかがでしたか?排ガス規制にオイルショックと販売が厳しい中で妥協することなくハンドメイドで作られた117クーペはまさに伝説のスポーツカーですね。当時の価格はとても庶民が買える金額ではありませんでしたが、今なら買えるのでは?いすゞの傑作車に一度乗ってみるのもいいのではないでしょうか。
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