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2015/09/29
takeitokiyoto
リアエンジンの経済的な国民車ルノー・『4CV』。フランスで初めてミリオンセラーとなった乗用車ルノー・『4CV』!その開発史話や性能、価格、中古車価格も調べました。ご一緒に見て行きませんか・・・・ルノー・『4CV』のことを!
ルノー・4CV(Renault 4CV )は、フランスのルノーが1946年から1961年まで生産した小型乗用車です。
ルノー・4CV
フォルクスワーゲン・タイプ1の影響のもと、そのリアエンジンレイアウトを踏襲して経済的な国民車(大衆車)として作られ、フランスで初めてミリオンセラーとなった乗用車でもあります。
フル・モノコック構造の軽量な4ドア4座セダンボディを備え、サスペンションは前後ともコイルスプリング支持の独立懸架です。
車体後部に水冷直列4気筒OHVエンジンを縦置きし、後輪を駆動するリアエンジン・リアドライブ方式を用い、ステアリング機構は操縦性の良いラック・アンド・ピニオン式でした。
『4CV』のエンジンは、当初760cc・17馬力でしたが、ほどなく1950年には748ccに僅かながら縮小されました。
これはレースに出場する場合750ccがクラス分けの基準であったことからそのラインに合わせたもので、戦後の混乱期にこのクラスの小型車にまでレース出場を考慮した排気量変更を行ったのは注目すべき措置だと思います。
このエンジンに3速MTを組み合わせ、わずか600kg弱のボディを最高速度100km/hに到達させたのです。
4CVについては、フォルクスワーゲンの設計者であるフェルディナント・ポルシェがドイツ敗戦後のフランス抑留中に設計させられたという俗説がしばしば伝わっています。
が、これは伝説であり、史実は1945年ルノー側が拘留中のポルシェに4CV試作車に関する講評とアドバイスを求めたに過ぎないのだそうです。
試作車を見たポルシェは「良い設計の自動車である」と評価し、サスペンション改良に関するアドバイスを与えたということです。
フェルディナント・ポルシェ(1940年)
遡ること数年、4CVは当初フランスのドイツ占領時代にルノーの技術者が開発していたものです。
当時、開発・生産は商用および軍用目的に制約され、乗用車の開発が厳しく制限された中で密かにおこなわれていた開発でした。
1942年に最初の試作車が完成、つづく3年間でさらに2種の試作がなされました。
ドイツから解放された1944年時点で、ルノーには2つのニューモデルのプランがあった。一つは小型車の4CV、もう一つはフロントエンジンの2,000cc級中型セダンでした。
世相から見てより必要とされていたのは明らかに『4CV』であり、のちに「ルノー・フレガート」となった中型セダンの市販は、1950年まで遅れました。
ルノー フレガート
1946年パリサロンで4CVは公衆の前に姿を現しました。
発表の席では、"La motte de beurre" (バターのかたまり)とよばれました。
何故かというと、その形とドイツ陸軍がアフリカで使用したサンドイエローの色からバターのかたまりが連想されたのでした。
発表当初はフランス経済自体が不透明で売れ行きも良くありませんでしたけれど、やがて生産は軌道に乗り戦後の国営化で再発足したルノー公団の経営を支えました。
1949年半ばには37,000台が売れて、フランスで一番人気の車となっていました。
生産は10年以上も継続されることになりました。
1956年には後継としてルノー・ドーフィンが発表されましたが、ドーフィンは4CVよりも価格が上がり結局4CVは廉価版として、ドーフィンの生産終了前年の1961年まで生産されました。
結局4CVは、1,105,547台が生産され、フランス車で初のミリオンセラー車(100万台以上販売した車)となりました。
実質的な後継としては4CVと同型エンジンを搭載し、車名も同じ「4CV」級を意味する名とした前輪駆動車ルノー・4が1961年に発売され、ほぼ同額で販売されました。
1967年型ルノー・4
4CVはシャーシ自体の基本設計が当時としては優れており操縦性優秀だったため、改造も容易で、レースやラリーにしばしば出場していました。
1940年代末から1950年代にはル・マン24時間レースやミッレミリアの750ccクラスで何度も優勝していました。
EXCEPTIONNEL ! Une modeste 4cv en course de côte.Châteauneuf de Galaure 2011
またレーシングカーの改造ベースとしても多用されました。
アルピーヌとルノーが最初に組んだのはアルピーヌ・A106で、これは4CVベースで製作されていました。
両社のチームワークは後にアルピーヌ・A110で世界ラリー選手権(WRC)優勝を果たしています。
1953年から日野自動車はルノー公団との契約のもとノックダウン生産を開始しました。
順次国産部品の調達率を高め価格も抑えられ、1958年3月ついに完全国産化を達成、フランス本国での生産が終了した後も1963年まで生産していました。
当時の新車価格は後述するとして、日野・ルノー4CVには価格を年々下げるという価格面での面白い現象がありました。
日野・ルノー4CV
その間には日本の悪路に適合するよう足回りの強化が行われ、エンジンも強化、また当時の中速車・高速車規格に適合させるためバンパー延長で車体長を稼ぐなど数々の工夫が凝らされています。
軽量で機動力に富んだミニマムな4ドア車という特性からタクシーにも好んで使われ、その愛嬌ある姿から一般にも「亀の子ルノー」などと呼ばれて多くの人に親しまれました。
1957年 日野・ルノー4CV
これほど多くの人に愛された、いえ今でも愛されている『4CV』ですが、生産が終わっている現在、購入価格は幾らくらいになるのでしょう?
まずは、当時の新車価格を知りたくて調べてみましたが、当時の新車価格を記載するサイトは見当たりませんでした。
次いで、『4CV』の中古車価格を調べたく、国内の各中古車価格掲載サイトを調べてみました。
数社の中古車価格掲載サイトを調べましたが、奇妙なことに気付きました。
どれも、同じ車についての価格掲載のようなのです。(写真も同じ)
以下にその内容を記します。
≪ルノー 4CV R1062後期 3MT≫
●本体価格:288万円(消費税価格込)
●年式:(初度登録) 1958年
●走行距離:走不明
●排気量: 750cc
●車検: なし
●ハンドル: 左
●燃料: ガソリン
●ドア : 4D
●年式(初度登録): 1958年
●ミッション : MT3速
ルノー 4CV R1062後期 3MT
本体価格:288万円(消費税価格込)
要するに今現在中古車市場に出ているルノー4CVは1台だけで、それを色々な中古車価格サイトが取り上げて掲載しているのでした。
一方前述した日野ルノー4CVの新車価格はどうだったのでしょうか・・・・?
調べたところ、次のような資料が見つかりました。
≪ 日野ルノー4CV デラックス(PA59型)≫
【主要スペック】
●1959年 日野ルノー4CV デラックス(PA59型)
●全長3845 ㎜・全幅1435㎜・全高1440㎜・ホイールベース2100㎜
●車重640㎏
●RR
●KGH20型水冷直列4気筒OHV748cc・最高出力21ps/4000rpm・最大トルク5.0kgm/1800rpm
●変速機3速MT
●電装系6V
●乗車定員4名
●燃費16km/L
●最高速100km/h
販売価格;本体価格67万円(消費税価格込)
1959年 日野ルノー4CV
販売価格67万円(消費税価格込)
また、1961年発行の「日野ルノーのリーフレット」には、意外な記述がありましたのでご紹介します。
●1961年 日野ルノー リーフレット(B5判・両面1枚)
スタンダード49万8000円、デラックス57万円。価格はノックダウン当初の82万5000円から年々下げられました。
1961年 日野ルノー リーフレット
『4CV』は、当初「黄金虫」とか「バターのかたまり(La motte de beurre)」などと揶揄され市場の反応は芳しくなかったわけです.
が、安さにつられて注文した人々に納車が始まると、小柄ながら俊敏な走りで評価は一変し、生産は丸15年に亘って続けられたほど長くなりフランス車の歴史上で初のミリオンセラー車ミなるまでになった一級の名車です。
「La motte de beurre」といった人々に、「今やバターも超高級品だよ」って知らせてやりたい位ですネ・・・・!!
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