2015/11/15
YMOTOHASHI
960年代後半伊米合作で作り上げられたそのパンテーラの評価とは?イタリア製ボディにアメリカ製大排気量エンジンを搭載したパンテーラを深く掘り下げ評価していきたいと思います。この評価をもとに改めてパンテーラを見直してみていただきたい!
パンテーラ GT4
パンテーラの評価をしていく前に、そもそもデ・トマソ・パンテーラという車はどういう車なのかを調べていきましょう!
イタリアのデ・トマソ社が造り上げたスーパーカー「パンテーラ」は、フォードとの共同開発により、1970年にプロトタイプが発表され、翌1971年に市販モデルが発売。フォード側がコストダウンと大量生産を望んだ為、量産に適したモノコックフレームを採用し、エンジンは汎用型を流用するなど、同時期に発売されてきたライバルや前作のマングスタまで受け継がれていたバックボーンフレームを捨て去り割り切った設計手法が特徴でした。
パンテーラ GT4
カロッツェリア・ギアのデザインによるスタイリングは、シャープな中にも曲線美を併せ持ったもので、GTカー風であった前作のマングスタより、さらにピュアスポーツカーらしい雰囲気を醸していた。
パンテーラの性能をそのスペックを見ながら評価していきましょう!
エンジンはフォード製の351CDIユニット、排気量5.8リッターの水冷V型8気筒OHVエンジンを搭載。330馬力、トルク45kg/mを発生するが、特にチューニングされたものではなく、コストダウン重視でほとんどノーマルのままミドシップに搭載している。
エンジンがハイテクである反面、排気量の小さいフェラーリ365GTBやランボルギーニ・ミウラと比較評価すると、最高出力で劣り最大トルクでは勝るスペック。
パンテーラ エンジン
汎用型のエンジンとはいうものの、最高速度は280km/h、性能面評価では前述のライバル達に決して劣るようなものではありませんでした。
パンテーラ
エンジンフィーリングは、専用設計のV12エンジンを搭載するフェラーリやランボルギーニのような官能性には欠けていたものの、アメリカ的な豪快で野太いフィーリングは、パンテーラ独自のフィーリングで高評価でした。
この手の車の燃費評価というものははたして評価に値するものなのか、はなはだ疑問ではあるところだが購入する際の参考になればという事でライバル車との燃費比較評価を見ていこう。
平均燃費(車両個体により誤差あり)
パンテーラ 2.2km/L
フェラーリ365 3.1km/L
さすがにこれだけのエンジンを動かすのにはこれくらいの燃費になるものなのである。
現在のエコカーに寄せるところは皆無である。
そこをあえて評価するならば車を購入する際にガソリン代や燃費を重視される方にはこれほど不向きな車はないという評価でしかない。
パンテーラ
パンテーラ
迫力のリアビュー
パンテーラのエンジンはレスポンスの良いDOHCなどと違いOHVなのでトルクで押してくる感じというのでしょうか。ちょうどバイクに乗っているような感覚です。
しかしバツグンの高速性能とフラットな乗り心地の評価としては他のスーパーカーにはない乗りやすい車という評価が大多数の意見になるかもしれません。
パンテーラ インテリア(’71)
車内スペースなどの評価としては
これぞスポーツカー!低い目線、計器類、シフトフィーリングどれをとってもまさにスポーツカーのそれである。
パンテーラ SI
パンテーラが製造されていたのは1971年から1991年。20年にもわたり生産されてきた。それだけでもいかにこの車が人気車であったか計り知れるところである。
ここでは年代別、ラインナップごとにその特徴を評価していこうと思います。
パンテーラ
さて、そのパンテーラの年代別ラインナップだが
1971~1972年
パンテーラ(Pre L)
Lモデル以前のモデル。その中でも細かい仕様の違いで「アーリー」と「レイト」がある。
パンテーラL
イタリア語で「豪華、贅沢」を意味するLussoの名を語尾につけ、1972年に追加されたモデル。エンジン出力が40馬力ほどデチューンされている。外観に関しては衝撃吸収バンパーに変更(ヨーロピアンモデル以外)他、シートベルト警告ランプとブザーなど充実した装備の関係で約100Kg重量増となっている。
パンテーラL
1973年
パンテーラGTS
パンテーラのハイパフォーマンスモデル。アメリカ仕様とヨーロッパ仕様が存在する。、ヨーロッパ仕様はエンジンの圧縮比が向上し、それに伴い出力も350馬力、トルク50kg/mに引き上げられている。公称最高速度290km/h。向上したパワーに対応する為にタイヤも若干太いものに変更された。日本にも輸入されたことで知られているが、そのほとんどはノーマルエンジンのパンテーラをGTSルックにしたアメリカ仕様だった。
多くの方がパンテーラというとほぼこのモデルについての評価をしているようだ。
パンテーラGTS
1974年
パンテーラGT4
参戦に必須な条件が「連続する12ヶ月間に400台の生産」というグループ4カテゴリーに殴り込みをかけるべく生産され、パンテーラGTSをレースカーとしてリファインしたモデルである。エンジンは500馬力をオーバーするほどのチューニングが施される。ワイドトレッドタイヤ(フロント10J・リヤ13J)、オーバーフェンダー、右サイドウィンドウ後部に設置された給油口が特徴。公称最高速度331km/h。レースではさしたる結果を残していないが、レース仕様であるGT4をそのまま生産に移し1974年に計6台が販売された。
パンテーラGT4
1980年
パンテーラGT5
大胆なイメージチェンジを果たして追加されたモデル。パンテーラGT4の外観をスマートにし、カウンタック風のウイングを装着しているのが特徴。一般公道で扱いやすくする為にエンジン出力が330馬力にデチューンされている。公称最高速度281km/h。
パンテーラGT5
1984年
パンテーラGT5S
パンテーラGT5のマイナーチェンジ版として1984年に追加された。標準が300馬力、ハイパフォーマンス仕様は350馬力を発生している。なお、このモデルの前後からアメリカ製だったエンジンが生産中止され、同型のオーストラリア製のものに変更されている。
パンテーラGT5S
1991年
パンテーラSI
パンテーラの最終型ともいえる改良を施されたモデル。発表は1991年のトリノショーデザインを鬼才マルチェロ・ガンディーニが務めた。外観的特徴は二分割式リアウイング。ここに来て初めてエンジンが変更され、フォード・マスタングが搭載していた水冷5リッターV型8気筒OHVエンジンが搭載された。1994年、製造された41台の内、4台だけがミラノの車両製造会社Pavesiによって、従来モデルには設定されていなかったタルガトップに改造された。SIタルガは、パンテーラ最後の公式バリエーションとなった
パンテーラSI
このように各項目別の評価をみていくとパンテーラは、エンジンのスペックは平凡であり、フェラーリやランボルギーニのような爆発的カリスマ性には欠けているという評価であるが、価格がそれらの半分程度と、スーパーカーとしては安価である事がメリットでした。たしかに「スーパーカーの廉価版」などという評価を受けながらも、20年以上に渡るロングセラーとなり、結果的に成功作となったことは十分評価に値するのではないでしょうか。
パンテーラ
いかがでしたでしょうか?デ・トマソ・パンテーラという車の評価は正直評価する側も悩むところではある。それはこの車が好きな人は崇拝というとオーバーかもしれないが、それほどほれ込んでこのパンテーラを選んでいる方が多い。冷静に評価できるような車ではないのかもしれない。
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