記事ID9819のサムネイル画像

スーパーカー最大のミステリー、ランボルギーニイオタとはどんな車?

イタリアのランボルギーニ社が、1969年に1台だけ製造した実験車両イオタ。その1台も事故で焼失。現在、ランボルギーニ イオタと称している車は、ランボルギーニ純正のレプリカが数台、個人オーナーによりイオタ化されたミウラが多数存在する。

ランボルギーニ イオタの概要紹介

 ランボルギーニ イオタ(Jota )は、イタリアのランボルギーニ社が1969年に1台だけ製造した実験車両(通称「J」)、および同社のランボルギーニ ミウラをもとに製作された「J」のレプリカ車両の通称です。

ランボルギーニイオタ

乗車定員:2人
ボディタイプ:2ドアクーペ
サイズ:全長4390mm/全幅1850mm/全高1080mm
車輌重量:890kg
最高速度:320km/h

ランボルギーニ イオタのヒストリー

 ランボルギーニ社のテストドライバー、ボブ・ウォレスにより作られたイオタは、正式には、ミウラ・コンペティシオーネと呼ばれます。このミウラ・コンペティシオーネは、 FIA「国際スポーツ法典附則 “ J ” 項」の、レギュレーションに乗っ取って作られたのでイオタ( J )と呼ばれました。但し、イタリア語で「 J 」は使わないのでギリシャ文字の「 I 」に当たるイオタと発音されました。

 1969年末からミウラのシャシーとエンジンをベースに製作が開始されました。ボディは補強され量産ミウラとは全く違う高剛性シャシーに、前後カウル、ドア等、アルミの叩き出しボディが組まれ、総重量はわずか890kgでした。サスペンションはアーム類を自作しコニ製の強化ショックとスプリングが採用されたが、テスト中に何度も作り替えられたようです。ドライサンプ化されたエンジンは圧縮比11.5まで高められ、典型的な高回転型のエンジン特性でベンチテストでは440ps/8,500rpmを記録しました。

 ミッションはZF製でギア比はクロス化され、デファレンシャルもZF製のセルフロッキングタイプが組まれました。1971年半ば迄、ほとんど毎日テストが繰り返され、ミウラP400SVに貴重なデータを残したのですが、カウンタックLP500の量産型への改良が忙しくなり、イオタは工場の片隅へ追いやられる事となります。しかし、この車の存在を知るマニアックな顧客から売却の話が絶えなかったそうです。

 そして1972年8月2日、レストアされたミウラ・コンペティシオーネは、シャシー・ナンバー5084、エンジン・ナンバー20744を与えられ、外装レッド/内装ブラックの新車として、イタリア・ミラノの、ある伯爵の元へと売却されました。

 その後2ヵ月間で、さらに数人の手を経て、ミラノ東部にある開通前のブレシア高速道路にて高速テスト中、230km/h前後で5速にシフトアップしようとした瞬間、急にノーズが浮き上がり横転して車両火災が発生、ミウラ・コンペティシオーネは廃車となってしまいました。

ランボルギーニ イオタの性能

ランボルギーニ イオタ

エンジン:水冷V型12気筒DOHC
総排気量:3929cc 
最高出力:440ps/8500rpm
最高速度:320km/h
変速機:5MT
駆動方式:MR

 ランボルギーニイオタのエンジン・トランスミッションはベースとなるミウラと同じく横置のイシゴニス式で排気量も3,929ccのままである。ただしオイル供給方式はドライサンプに変更されています。圧縮比を11.5に向上しキャブレター変更により公称の最高出力は440ps/8,500rpmとなりました。

ランボルギーニ イオタのデザイン

 ランボルギーニ イオタのシャシーとボディーパネルはブラインドリベットで接合されています。パネル表面の多数のリベットは薄いアルミのエッジからの破断防止のために打たれており、このリベットが「ランボルギーニ イオタ」と「ランボルギーニ ミウラ」の外観上の大きな差異です。

ランボルギーニ イオタ

 シャーシの材質は鋼鉄であるが、部分的には軽合金も使用して軽量化が図られています。

ランボルギーニ イオタ

 フロントのグリル面積も拡大され、グリルの両側にはチンスポイラーが追加されました。

ランボルギーニ イオタ

 ボディーはルーフこそランボルギーニ ミウラと共通の鋼鉄製だが、前後カウルがアルミニウム製に変更されています。

ランボルギーニ イオタ

ランボルギーニ イオタ

ランボルギーニ イオタ

ランボルギーニ イオタ

 給油口もフロントフェンダーに露出する形に変更されました。

ランボルギーニ イオタ

 ヘッドランプがランボルギーニ ミウラのポップアップ式からアクリルで覆われた固定式に変更されています。

ランボルギーニ イオタの価格

 日本にもレプリカ版のランボルギーニ イオタが存在しており、その中には「SVR」と呼ばれるモデルもあります。また、かつて日本人オーナーが所有していた「シャシーナンバー 4892」が、2015年1月に開催されたRMオークションに出品され、人気の高さと希少性から、大いに注目を集めました。この「シャシーナンバー 4892」は、結果的に日本円に換算して2億円を超える価格で落札されました。

 また、2015年12月現在、1968年式 ランボルギーニ イオタ「シャシーナンバー3781」が売りに出ています。

まとめ

 ランボルギーニ イオタについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

関連する記事

この記事に関する記事

この記事に関するキーワード

キーワードから記事を探す

TOPへ